朝日生命寄付講座「金融ビジネスのニュートレンド」(2)

 会計ファイナンス学科教員の安藤です。

 会計ファイナンス学科では、企業と連携した実践的な授業を数多く開講しています。今回は、朝日生命保険相互会社様と連携して実施している寄付講座「金融ビジネスのニュートレンド」の様子をご紹介します。

 今回お招きしたのは、朝日生命保険相互会社 人事部 採用担当の伊藤沙也加様です。伊藤様は昭和女子大学のご出身でもあり、学生たちにとって少し先のロールモデルのような存在として明るく講義をしてくださいました。講義テーマは「人的資本経営を体験しよう!」です。

 講義は、朝日生命様の歴史や社員数、経営理念に関するクイズからスタートしました。朝日生命様は 1888 年創業で、「まごころの奉仕」を経営理念に掲げる歴史ある生命保険会社です。その長い歩みや規模感に学生たちは驚いていました。また、他企業の経営理念を当てるクイズも行われ、「企業はどんな思いで経営しているのか」という問いに、自然と意識が向いていきました。

 続いて講義の中心となったのは、近年注目されている 「人的資本経営」 です。人的資本とは、個人が持つ知識・技能・能力など、未来の価値を生む「見えない資産」を指す言葉です。伊藤様からは、「人的資本への投資は短期的にはコストのように見えるが、中長期的には企業価値を押し上げる力になる」という点を丁寧に解説していただきました。「企業は人でできている」という当たり前でありながら深いテーマを、あらためて実感する機会となりました。

 続いて、朝日生命様の人財活躍推進戦略が紹介されました。「多様な人財の挑戦を応援する」ことを軸に、人材育成やキャリア自律支援に取り組んでいること、さらに 2024 年度からはウェルビーイングを起点とした経営を掲げ、公私ともに充実した働き方を後押ししていることが紹介されました。社員がいきいき働き成長することで、エンゲージメントが高まり、企業価値が向上していくというメッセージは、学生にも強い印象を与えました。

 講義の終盤では、一人ひとりが「自分の価値観」と向き合うワークを実施しました。これまで大切にしてきたこと、影響を受けた経験などを書き出すことで、「働くとは何か」「どんな人生を歩みたいのか」を考える貴重な時間になりました。

 そして講義の締めくくりで語られたのは、

「100%できなくても、60%でいいから、一歩を踏み出してみる。」

という言葉でした。この言葉は私たちの背中を、やさしく、そして力強く押してくれたように思います。人は成長し続けることができ、その力が企業や社会の未来を形づくるという、「人的資本」の本質を今回の講義を通して実感しました。

 講義後のアンケートには、次のような感想が寄せられました。

・人的資本経営が、単なる人材育成ではなく経営理念や戦略と深く結びついていることを実感した。

・人的資本という“見えない価値”が企業成長に影響する点が印象的だった。

・ウェルビーイングという言葉を知り、「働くこと=我慢」ではなく、仕事を通じて人生を豊かにできるという考え方に強く共感した。

・OGの先輩のお話を聞き、未来の自分をイメージしやすくなった。

 伊藤様、後輩への温かなメッセージを本当にありがとうございました。そして学生の皆さん、今日見つけた“自分の価値”を、これからの学びとキャリアに、ぜひつなげていってください。

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