安藤ゼミの活動紹介 ー「心と身体を繋げる話し方」を学ぶ特別講義

 会計ファイナンス学科の安藤です。

 安藤ゼミでは、「社会に出たときに実際に役立つ力を育てること」を中心に据えて活動しています。Excelを使ったライフプランニングの作成で関数やデータ処理に触れ、時事問題のディスカッションで社会の見方を鍛え、さらに卒業論文執筆を通して、エビデンスにもとづく論理的・定量的な思考を身につけていきます。

 こうした普段の活動とは少し趣向を変えて、先日は「話し方」の特別講義を行いました。講師としてお越しいただいたのは、WAVE&Partners代表であり、フリーアナウンサーとしてご活躍されている五十嵐みずか様です。五十嵐様は太極拳師範としても活動され、心身を整えて表現することの大切さを広く伝えていらっしゃいます。

 今回のご講義のテーマは「心と身体を繋げる話し方」です。言葉だけでなく、姿勢や呼吸、そして心のあり方が、相手に届くメッセージを形づくる。そんな深い視点からお話をいただきました。

 講義の最初は、「自己紹介」の見直しから始まりました。私たちはつい、「昭和女子大学の安藤と申します」というように形式的に名乗って終わらせてしまいがちです。しかし、それだけでは相手の記憶に残りにくいものです。初対面で相手の名前を覚えられなかったという経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。

 そこで五十嵐様は、名前と結びつく「ひとことエピソード」を添える自己紹介の方法をご提案くださいました。ちょっとした一言を添えるだけで相手の印象に残りやすくなり、会話のきっかけにもなります。こうした小さな工夫が、コミュニケーションの質を大きく変えてくれることに気づかされました。

 つづいて、「私たちは本来、話すことが好きな生き物である」というお話がありました。面接や初対面の場では誰もが緊張してしまいますが、友達と話したり自分の考えを共有したりするとき、人は自然といきいきとして、元気を取り戻します。だからこそ緊張したときに思い出してほしいのは、「話すことは本来、楽しいことである」という感覚です。この原点に立ち返ることで肩の力が少し抜け、自分らしい言葉が出てくるのだと、温かなアドバイスをいただきました。

 また、会話を広げる具体的な技法として、

・「聞く:話す」の比率をおおよそ 7:3 にする

・質問には「話題の枠を広げる質問」と「狭める質問」があり、それらを意識して使い分ける

 といったポイントも教えていただきました。ただ「頑張って話そう」と力むのではなく、相手の話をよく聞き、的確に質問を重ねることで、会話は自然と続いていくのだと学びました。

 講義の最後には、呼吸法と太極拳の基本動作を実際に体験しました。普段は座って作業することが多いゼミ活動ですが、この日は体を動かすことで心も少しほぐれ、良い気分転換になりました。ゆっくりと動きに意識を向けていると、自分の内面と静かにつながっていくような感覚が生まれます。自然な流れに身を任せて体を動かすと、「あ、気持ちいいな」と素直に思える瞬間もありました。

 反対に、心が向いていないことを無理にやろうとすると、どこかに力みや違和感が生じてしまいます。これは人間関係でも、話し方でも同じです。心と身体がまっすぐつながったとき、こちらの想いは自然と相手に届くのだと実感しました。

 上手に話すことはもちろん大切です。けれども、自分の心の声をそのまま言葉にのせて伝えられる力は、それ以上に価値があります。むしろ、その素直な表現こそが相手の心に届き、本当のメッセージとして伝わるのでしょう。そうした瞬間にこそ、皆さん一人ひとりの魅力が最大限に発揮されるのだと思います。将来、人前で話すときや、大切な相手と向き合うときに、ふとこの日の学びを思い出す瞬間が訪れることでしょう。五十嵐様、心に響く素晴らしいご講義をありがとうございました。

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