【GB学部10周年】教員インタビュー②山田隆先生

GB学部10周年を記念し、会計ファイナンス学科の先生方のインタビューをお届けしています。

お二人目は山田隆先生です!

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Q:学部・学科の魅力は何だと思いますか?

A: 会計ファイナンス学科の魅力は、実務家出身の教員が多いことです。私のように実際に金融業界でファンドマネージャーとして長年働いていた者や、公認会計士や税理士、FP、プライベートバンカーなど、さまざまな実務経験を持つ教員が在籍しています。そのため、学生たちが「これを勉強しても何に役立つのか」という疑問を持つことはほとんどありません。理論と実務の架け橋が実務家教員によってなされるところがメリットです。

 会計ファイナンス学科では1・2年次に簿記やFPなどの資格の取得を通じて、会計やファイナンスの基礎知識を修得します。3年生や4年生になると、1・2年時で習得した知識や理論を、ビジネススクール型の教育スタイルによって「使えるものに変えて」いきます。ビジネススクール型の教育とは、少人数で実際の企業の事例やケースを使ったディスカッション形式の学習です。

 個人的には、最近の大学生は「自分の意見を言いなさい」とよく言われることがありますが、私たちは学生にあまり意見は求めません。上述したように、確かにディスカッションを中心とした授業もありますが、自分の意見を言うためにはしっかりとした知識と理論が必要です。思いつきの意見は言えるかもしれませんが、それではビジネスアイデアにはならないと思います。私たちは学生たちに対して強制的に意見を言わせるのではなく、オープンマインドで授業内容をまず受け入れた後、自分自身で考え、自分の意見を形成するよう促しています。つまり、まずは教員が教育する知識や理論を受け入れ、自分の先入観や思い込みに固執しないことが大切です。そうやって学びを深める過程で初めて自分の意見ができてくるのではないでしょうか。

Q:先生の専門分野について教えてください。

A: ファイナンスです。しかし、興味はファイナンスだけに留まらず、世の中の森羅万象についてむしろ関心があります。学生から「ファイナンスを勉強すれば株で儲かるのか」という質問をよく受けますが、ファイナンスを勉強したからといって株式投資で儲かるようになるわけではありません。

 私がファンドマネージャーとして活動していた際に、上司からの一番重要なアドバイスは「株以外のことについて幅広い興味を持つこと」でした。株式にだけ興味を持つと、株の事すらわからなくなると言われました。私自身も、そのアドバイスに従い、金融に関係のない様々な分野の本を読んだり、新聞や雑誌を通じて広範な知識を得る努力をしました。生物学、哲学、物理学、社会学など、金融とは関係のない学問に触れることは、社会を理解し、成長する企業を発掘する上でも重要です。

 従って、皆さんも専門分野だけにこだわらず、多様な分野に興味を持つことが「投資」といった観点からも望ましいと思います。

Q:「ファイナンス入門」を学ぶ醍醐味は何ですか?

A: ファイナンス入門の授業では、ファイナンスに直接関係しない話題が取り上げられることがあります。そのため、中には「こんなことを勉強したかったのではありません」とか「これってファイナンスなの?」といった疑問を持つ学生もいるようですね。しかし、そのような学生はセンスがないと思います。

 自分が就職の採用面接をしていた時に、「給料はどれくらいですか?」、「福利厚生はどんなものですか?」、「ここで働くとどんな家に住めますか」等々、まだ働いてもいないのに、何が得られるかを先に質問してくる学生がよくいましたが、仕事もまだしていないのによくそんなことを聞けると思いました。先に「これをやったらこれを得られる」という確証が得られないと働くことを放棄するようなスタンスは、社会人として成長する見込みがないと思います。

 私の大学院の先生は、「ファイナンスは相関社会科学であり、あらゆる学問領域と関連している」と言っていました。つまり、ファイナンスはあらゆる分野と結びついているのです。研究においても、1つのテーマを深掘りすると、その過程で結果的に多くのことを知らなければならなくなります。それが勉強というものです。ですから、なぜ「ファイナンスに関係ない話」と言えるのでしょうか?学生には「ファイナンスの話だけするとは思うなよ。」と、むしろ言いたいですね。

Q:これからどういった学部・学科にPower upしてほしいですか?

A: 会計ファイナンス学科は設立されてからまだ5年程度しか経っていないですが、グローバルビジネス学部ビジネスデザイン学科は10周年を迎えたわけです。10周年ということは、「10年ひと昔」というぐらいですから、1つの大きな節目でもあるので、時代に遅れている可能性もあるわけです。ですから、全く形を変えてしまうぐらいの大きな変革が必要なのかもしれません。

 一方で、大きな流れの中で「変えてはいけないもの」も見極めていかなくてはならないと思います。個人的には教育というものはそう簡単に変えてはいけないものだと思っています。卒業した時に大学の雰囲気、建物やカリキュラム、先生までが全く変わっていたら寂しいですよね。だから、変えてはいけないものを見極めながら、変化が必要な部分は速やかに変えていくことが大切だと思います。パワーアップとかではなく、むしろ、淡々と普通にやりながら、きちんと成果を積みあげていくことが肝要だと思います。個人的には常に自然体で、宇宙や自然と一体となって楽しくやっていきたいと思っています。

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GB学部10周年を記念し、会計ファイナンス学科・山田隆先生の記事をお届けしました。

次回もお楽しみに!